修斗は「特別な団体」なのか

東京五輪の真っ只中にこのブログを書いています。

日本のメダルラッシュが凄いですね。

やはり、オリンピックのメダルというのはスポーツ界においてかなり最上位に近い権威のあるなんでしょうね(サッカーはW杯優勝の方が上なのかな?)。

格闘技の世界で最上位の権威といえば、これはもう誰がなんと言おうとUFC王者でしょうね。

ストロー級に関してはUFCにその階級が存在していないためONEが一番の権威ということになると思うんですが、それ以外のフライ級~ヘビー級に関しては間違いなくUFCが最上級でしょう。

それでは、他の団体のベルトの価値ってどうなんでしょうか。

たとえば日本国内のプロモーション。

RIZIN、修斗、パンクラス、DEEPといった団体のチャンピオンは紛れもなく強いですし、そこに参戦している選手の技術も一定の水準に達している場合がほとんどだというのは分かります。

しかし、ベルトの価値という観点から見たらどうなんだろうと思ってしまうんですよね。

だって、RIZINバンタム級王座のベルトをひっさげてUFCに乗り込んだマネル・ケイプはまだ1勝も出来ていませんし、DEEPメガトン級王者のロッキー・マルティネスはUFCからリリースされました。同じくDEEPのストロー級王者だった川原波輝もONE初戦でKO負けを喫しています。

このような事実は重いと思うんですよね。

すげえDEEPディスりみたいになってしまったんですが、ぶっちゃけ修斗、パンクラス、DEEPに参戦してる選手のレベルは同じくらいだと認識しています。

でも、なんか「修斗は違う」みたいな雰囲気もあったりしますよね。

このようなことを書くと修斗の選手・関係者およびファンの皆様に大変ご不快な思いをさせてしまうかも知れないのですが、僕の中の修斗のイメージひとつに「世間の評価と関係者の認識が一致していない」というものがあります。

修斗の選手や修斗の関係者って「修斗王者は別格」みたいな言い方をする場合がけっこうある気がするんですよね。

でも、実際はどうなんでしょうか。

格闘家のマネジメントをされているシュウ・ヒラタ氏が「修斗はローカル団体」という旨のツイートをされてプチ炎上していましたが、実はそのような認識の方が一般的なのではないでしょうか。

初代タイガーマスクとして日本中に旋風を巻き起こした佐山聡さんが創設された修斗は長い歴史を持っています。

中井祐樹、佐藤ルミナ、桜井マッハ速人、宇野薫、五味隆典、川尻達也、青木真也、日沖発、水垣偉弥、山本KID徳郁、堀口恭司、斎藤裕といった名だたる名選手を輩出してきました。

しかし、現在はどうなんでしょうか。

修斗王者や修斗のランカーが国内メジャー団体であるRIZINで常に勝てているワケではありませんし、堀口以降はUFCで活躍するような選手を輩出しているワケでもありません。

集客の面に関しても、後楽園ホールが上限のような状態です。

やはりローカル団体と言われても致し方ない状況だと僕は思うんですよね。

しかし、関係者や昔からのファンは「修斗の王者は別格」のような感じで見ているんじゃないかと感じてしまう時があります。

先日行われたSASUKEvs.工藤諒司の修斗世界フェザー級王者決定戦に辛口の評価が多かったのもその事と無関係だとは思えません。

「修斗の王者は別格」だからこそ、その王者を決める試合は素晴らしいものであって欲しいと強く願う。そして、それが選手への怒りへと繋がってしまう‥。

そのようなものを僕は感じました。

なかなか大変なプレッシャーの中で修斗の選手は闘っているなと思わざるを得ません。

でも、それが選手の成長に繋がるのかも知れませんし、一概にそれを否定しようとは思いません。

なんというか、全日本プロレスに似てるなあと思ってしまったりもします。

全日本プロレス(以後「全日」と略)はジャイアント馬場さんというレジェンド中のレジェンドが創設した歴史あるプロレス団体なのは言うまでもありません。

そんな全日のフラッグシップタイトルである三冠ヘビー級王座のベルトはジャンボ鶴田、天龍源一郎、三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太、ベイダー、橋本真也、武藤敬司といった多くの名レスラーが巻いています。

しかし、現在の全日にはかつてのような存在感はありません。

ライバルだった新日本プロレスには大きく水をあけられ、ドラゴンゲートやDDTといった後発の団体にも集客面で差をつけられています。

全日所属のレスラーと新日所属のレスラーの知名度にも圧倒的な差がついてしまっていますし、新日はもう全日の事をライバルだとは認識していないでしょう。

しかし、全日の三冠ヘビー級王座のベルトを巻くレスラーは歴史を背負います。

やはり、重みが違うという認識を持っているファンが少なくないような印象があるんですよね。

そういう意味で修斗と全日本プロレスには似た面があるなと僕は以前から感じていました。

とにかく、修斗は良くも悪くも「特別な団体」だと僕は思います。

「修斗の王者は歴史の重みを背負っている」という月並みな表現になってしまうんですが、やはりそれが最も適切な表現かなと思います。

僕は熱心な修斗ファンというワケではありませんが、修斗の試合は何度も観ていますし、実際に会場に足を運んだこともあります。

かつて通っていたジムの代表は元修斗世界王者でした。

もちろん一般会員なのでそれほどしっかり話したことはありませんが、とにかく「修斗好きだな」という印象が残っています(指導やジムの雰囲気は最高でした)。

前述したシュウ・ヒラタ氏のツイートの時もけっこう怒っている方多かったですもんね。

なんというか「修斗って愛されてるなあ」とつくづく感じます。

でも、ファンや関係者の修斗愛が良くない方向に働いてしまっているんじゃないかと感じることもあります。

実際、少し前まで僕も修斗に対してあまり良くないイメージを持っていました。

なんというか「偉そうだな」と感じてしまっていたんですよね笑。

数年前に出た修斗に関する記事を読んだのもかなり影響しています。

しかし、片方の言い分だけを鵜吞みにして毛嫌いするのも良くないなと思い直し、今はかなりネガティブな感情も薄れています。

今の修斗はローカル団体かも知れませんが、素晴らしい育成団体であると認識しています。

平良達郎や西川大和をはじめとした素晴らしい人材を育てているのは周知の事実ですよね。

「日本の格闘技を支えている」というのは決して嘘ではないと思います。

修斗が今後どのような道を辿るかは分かりませんが、格闘技を志す若者を育てる場所であるという役割はこれからも継続して欲しいと願っています。

修斗にはきっと、修斗にしか出来ないことがあると思うんですよね。

※このブログは修斗をはじめとする各プロモーションを貶める意図は全くありません。もしも修斗の選手・関係者の方から抗議などがありましたら誠実に対応させて頂くつもりです(必ずしもブログの削除や修正をお約束するものではありませんが)。

※自分は修斗についてそこまで詳しくありません。その自覚は持っています。「修斗のことをそこまで詳しく知らない」自分から修斗について感じたことをブログにすることに意味があると考え、このブログを書きました。

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