大晦日を楽しもう② 渡辺華奈 vs.イララ・ジョアニ

12月29日に開催される「BELLATOR JAPAN」でベラトール×RIZINの対抗戦のひとつとして女子の試合が組まれました。それが渡辺華奈vs.イララ・ジョアニ(ブラジル)の一戦です。  5分3R のユニファイドルールで行われます。

僕は、この試合が渡辺華奈にとって非常に重要な試合になると考えています。彼女の今後の格闘家としてのキャリアを考えると、絶対に負けられない試合です。

渡辺選手は 元・柔道全日本強化指定選手であり、柔道家として素晴らしい経歴を持っています。オリンピック出場こそ叶いませんでしたが、大学(東海大学)や実業団(JR東日本)で輝かしい成績を残しています。

2017年に総合格闘家デビュー戦を白星で飾ると、その次の試合では、MMAのキャリアで圧倒的に格上の存在である杉山しずか選手と対戦。そして、3-0の判定勝ちをおさめるという快挙を成し遂げます。

その後は引き分けの試合はあったものの、現時点で無敗の状態です。女子フライ級の中では日本最強のひとりだと思っています。

バックボーンは柔道ですが、打撃力が強いのも特徴です。昨年の大みそかに杉山しずか選手とRIZINのリングで再戦した際は、1Rわずか11秒、右ストレートでKO勝ちしています。

柔道をバックボーンにしながら打撃も強い渡辺選手は、個人的にあの秋山成勲を彷彿とさせるような気がします(あんまり良い例えじゃないですね笑)。

そんな渡辺選手にとって、なぜ次のイララ・ジョアニ戦が絶対に負けられない試合なのか?それは、この試合をクリアすれば、北米MMA戦線に食い込める可能性があるからです。

渡辺選手はフライ級 (56.7kg) の選手です。日本人女性の中では身体が大きく、国内にそれほど対戦相手がいるわけではありません。杉山しずか選手と短い期間で2度も対戦した背景にも、国内選手の層の薄さがあったのではないかと考えています。もちろん、杉山選手のリベンジ・マッチという意味合いもあったでしょうが。

渡辺選手は短い期間で国内トップレベルまで這い上がってきました。しかし、日本国内に留まっていては、これ以上のステップアップが難しい状況です。

北米になら、そんな渡辺選手が闘える相手がたくさんいます。間違いなく激戦区です。そこに殴り込めるかどうかが次の試合にかかっているんです。

次の試合はアメリカでも放送されるようなので、渡辺華奈の名前を北米のファンにアピールする絶好の機会です。まずは勝つこと。欲をいえば良い形で勝つことが求められる試合だと思います。

女性にたいしてこんなことを言ってよいのか分かりませんが、渡辺選手は決して若くありません。今年でもう31歳なんですよね。デビューが遅かったこともあり、総合格闘家として残された時間はあまりないと思います。

北米で経験を積んできたイララ・ジョアニは間違いなく難敵です。渡辺選手が敗北する可能性も十分にあります。非常にリスクの高い試合です。負けてしまえば、北米進出のチャンスが潰えるどころか、国内での評価も下がるかも知れません。ハイリスク・ハイリターンな一戦です。

しかし、渡辺選手には時間がありません。リスクの高い試合を先延ばしにすることこそ、最大のリスクです。

果たして日本の「美獣」渡辺華奈は、世界に羽ばたくことが出来るのか?

この試合は日本の「ジョシカク」にとっても非常に重要な試合になると考えています。

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