宮原健斗vsジェイク・リーは最高の「王道エンタメ」だった!

10月24日に後楽園ホールで行われた王者 宮原健斗vs挑戦者 ジェイク・リーの三冠ヘビー級タイトルマッチは、30分間を超える激闘の末、宮原がジェイクを破り、見事防衛に成功した。

https://www.nikkansports.com/battle/news/201910250000010.html

本当に素晴らしい三冠戦だった。2度目の挑戦となるジェイクはあきらかに成長していた。入場時の落ち着いた振る舞い、ここぞという時に繰り出すキックの威力、宮原の必殺技「シャットダウン・スープレックス」を返して見せる打たれ強さ。ジェイクが勝つ!と確信しかけた瞬間もあった。

しかし、王者の宮原はそんなジェイクのすべてを受け止め、跳ね返し、勝利してみせた。場外でジェイクのキックを思い切り食らってしまい、あわやリングアウト負けかと思われる場面もあったが、「満場一致で最高の男」のスタミナは無尽蔵だった。

僕はこの三冠戦は「王道エンタメ」だと思っている。この試合に至るまで、宮原とジェイクは決して奇をてらうようなアクションを起こしていない。過激なトラッシュトークもなければ、ことさら因縁をスキャンダラスに煽ることもなかった。

ジェイクは元々、宮原が率いるユニット「NEXTREAM」に所属していた。そこから飛び出し独立独歩の道を歩んできた。今年の「王道トーナメント」ではその宮原を決勝で破り、三冠挑戦への切符をつかんだ。そのような経緯を考えれば、いくらでもい因縁を煽り、トラッシュトークでファンを刺激することも出来たにちがいない。

しかし、ジェイクはそれをしなかった。宮原の方も仕掛けようとはしなかった。挑戦者と王者、どちらも「王道」を歩みながら三冠戦のリングに上がったのだった。

プロレスの世界では、時に試合よりもリングの外のやりとりの方が注目されることがある。良いか悪いかは別にして、それは試合を盛り上げるためのひとつの重要な手段であることは間違いない。

しかし、この2人の前哨戦にその要素は極めて少なかった。そんなことをする必要を感じなかったのかも知れない。

宮原はすでに7度の三冠王座防衛に成功している。しかも、現在が4度目の戴冠となる。王道トーナメント決勝で敗れようが、彼が全日で最強最高の男であることに異論を挟む人間はいない。

ジェイクはアジアタッグ、世界タッグという全日のタッグベルトを2つとも獲得している。春のチャンピオン・カーニバルでは宮原に敗れて準優勝だったが、その借りは王道トーナメントでしっかりと返している。ジェイクが挑戦者として最もふさわしいのは、誰の目にもあきらかだった。

「ふさわしすぎる」王者と 「ふさわしすぎる」 挑戦者のタイトルマッチに、トラッシュトークや過激なアピールは不要だった。

あの日後楽園ホールに集まったお客さんも、僕のように「全日本プロレスTV」で試合を観ていたファンも、宮原が素晴らしい王者であること、ジェイクが挑戦者として十分な資格を持っていることを知っていた。

全日本プロレスのファン全員が、あの2人の三冠戦が素晴らしいものになるであろうという予感に胸を躍らせていた。そして、その予感を超える素晴らしいタイトルマッチが繰り広げられたのだった。

30分を超える激闘だったにもかかわらず、僕はあの試合があっという間に終わってしまったような気がする。それは、あの試合以上に、2人がコツコツと紡ぎあげてきた物語が強烈だったからなのかも知れない。

あの試合を観終わったあとほど、全日本プロレスのファンでいたことを幸福に感じた時はなかった。

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