ざっくりロシア格闘技調査
ロシアにトータルで20日間ぐらい滞在していたんですけど、その中でちょっとしたリサーチをしていました。
それは「ヌルマゴ知名度調査」です。
UFCライト級チャンピオンであるハビブ・ヌルマゴメドフが母国ロシアでどれくらいの知名度があるのか確かめてみようと思いました。その結果は、ロシア人の格闘技好きを図るひとつの指標になるハズです。
なんでこんなことを思いついたかと言うと、特に高い意識があってやったワケではもちろんなくて(笑)、ロシア人とちょっとでも仲良くなるにはどうしたらいいだろう?と考えているうちに、ヌルマゴの写真を見せて「Do you know him?」とやってみたら会話の糸口になるんじゃないかと思ったことがきっかけです。
で、実際にやってみたんですけど、やっぱり知名度高いですね!
ロシアの男性と女性合わせて15人にヌルマゴの写真を見せて「Do you know him?」とやってみたんですけど、彼のことを全く知らなかったのは3人だけでした!
特に男性はかなりの率で知っているみたいで、「ハビブだろ!この前ダスティン・ポイエーに勝ったよな」とばっちり答えてくれるトムスクで川魚の漁師をやっているお兄ちゃんもいれば、「知ってるよ。チャンピオンだろ」ややボンヤリ目に答えてくれるモスクワの銀行員の青年もいました。
この2人は、いずれもシベリア鉄道で同じコンパートメントに乗り合わせた方々です。これはスーパー余談なんですが、漁師の奥さんがめちゃくちゃスタイルが良い上に、意図してなのか、やたらとボディラインが分かりやすい服を着ていたせいで、僕は無駄にドキドキしていました(笑)。
バイカル湖の遊覧船でガイドのお姉ちゃんに聞いてみたのが最初のリサーチだったのですが、お姉ちゃんはヌルマゴを知らず‥。
しかし、船頭の無口なおじさんに写真を見せたところ「ハビブだね。昨日のUFCで勝ってたな」としっかり答えてくれました。まさかバイカル湖の上でUFCというフレーズが登場するとは(笑)!
ロシアではヌルマゴと呼ばず、ハビブと呼ぶようです。彼の名前まで認識している人はみんなハビブと答えていました。
名前が出てこない人はでも、チャンピオンというフレーズが出てくる人が多かったです。僕が見せた写真のヌルマゴはベルトをしていないので、写真を見ただけで適当にチャンピオンとは答えられないハズです。
やっぱり、ロシア人は格闘技が好きみたいです。そして、日本と比べると、格闘家の地位も高いんじゃないでしょうか。
だって、ヌルマゴなんてマクレガー戦とポイエー戦のあとプーチンのところに行ってお茶してましたからね(笑)!
街を歩いていると、UFCのロゴが入ったシャツや帽子を身につけている人がけっこういました(ちなみに全員男です)。
市場で果物を担いでいるおじさんのTシャツに、カフェでピザを焼いてるお兄ちゃんの帽子に、ペテルブルクの桟橋を歩く少年のズボンに、はっきりとあの見慣れたUFCのロゴがありました。
僕の身の回りには格闘技に関心のある人がほとんどいなくて、当然いつもぼっち観戦です。まだ実家にいた時は親が格闘技を嫌がるので、大晦日の格闘技観戦は2階の小さなテレビで細々とやっていました。
もしかしたら、僕は生まれる国を間違えたのかも知れません(笑)。
ちょっと話が変わってしまうのですが、ロシアの格闘技界において、少数民族は重要な役割を果たしています。
知名度抜群のヌルマゴやリングスで大活躍したヴォルク・ハンはダゲスタン人というイスラム系の少数民族です。
PRIDEでヘビー級の絶対王者として君臨し、今年の年末にベラトール日本大会に出場するエメリヤーエンコ・ヒョードルはウクライナ系です。
マイノリティであるハズの少数民族の選手がロシアの格闘技界を引っ張っているなんて、なんだか不思議ですね。
もしかしたら、マイノリティであるがゆえのコンプレックスやハングリー精神が彼らの強さの秘密なのかも知れません。
もしもロシアに旅行することがあれば、ロシア人と格闘技について話してみてください。けっこう食いついてくる人も多いですよ!